はりねずみの感想録

千穂が読んだ一次創作作品について感想をしたためるところです。

十和野 遥香さんの「ヴァンレシムの魔物」1巻を読みました。

作品はこちらから。

flyingboat21.com

 

まず装丁がすばらしくて!!このコミックス感……!!色合いも可愛いしロゴのデザインもよく映えてて……。すてき。
表紙のイラストに惹かれたのが最初だったんですが、キャラデザにファンタジーRPGっぽさが溢れててめっちゃ好きです。キャラごとに個性があるのも一目でわかるというか。
お話の中で出てくる地名もまたファンタジー!な響きでかつカッコイイ……ってなってました。好きです……。

 

登場初手からうさんくさすぎるラグナさん、作中もうずっとうさんくさいしなんとも感情の読めない笑顔のままおふざけするし、その軽妙な語り口とかも癖になる魅力があるなと思います。うさんくさいけど、いやでもこのお兄さん(見た目も含めて)カッコイイ……にもなってしまう良さ……。
そのラグナさんに振り回されまくるディオくんも可愛い!!等身大の男の子っぽさに読んでて親しみが沸きます。あと主人公らしいキャラデザが本当にツボです……。可愛い。
そしてシルルちゃん!!!初登場したときの扉絵の時点で一目惚れしました!!!!かわいすぎる……かわいい……ヒーラー少女!って感じがこう……良……(語彙力)敬語で喋ってるときもキャラ立ちを感じて好きだったんですけど、敬語オフした口調もすごく可愛くて……ディオくんそこ代わって!!!!!!!と思ってしまいました(?)

 

テンポよく進むのと、丁度いい感じにくすっとくるシーンが挟まってて、読みやすいお話だな~!と感じました。ファンタジーの美味しいところをしっかり押さえてる感じもして楽しい。
キャラクターを取り巻く世界観もしっかりしているのを感じるのと、なにより雰囲気が好きです……。ファンタジー好きとしてはトキメキがとまらない……!!

 

そんなこんなでささやかですがファンアートで〆ます。
キャラの個性がそれぞれ色づいてて掛け合いみるのが楽しいです。かわいい……。

 

唯代 終さんの「Promise」を読みました。

作品はこちら。(直接リンク貼っていいものか悩んだのでwikiのトップページへ)

yt-character-matome.memo.wiki

 

現在の更新分まで読んだ感想、単刀直入に言うとめっちゃ好みのお話です。好き。

 

構成がしっかりしているのを感じて勉強になります。読んでて(ハラハラしないという意味ではなく、構造への信頼としての)安心感もありました。

幕間の、作中のおとぎ話のシーンのファンタジー感がとてもきれいなのと、ドキドキするのとあって楽しかったです……。射手の子が好き。本編とリンクしていく過程も良かった……。

本編の方もファンタジーらしいワクワク感がありつつ、そううまくはいかないよ、と突き落とすような展開がすごく好みで、ついさんらしさも感じてグッときました。

 

あとやっぱタイトルの回収というか意味合いというか、「約束」ってそういうことかぁ……!!!!!!!!とはなりました。切なくて苦しいしつらいけど、趣味に正直に言うと大変よろしいです最高です。めっちゃ好き。あとやっぱヴィンセントくんの心情と思うと「そりゃそうなるよな……」という説得力もあるというか。そういういくらかの要素をああいうかたちでまとめて「約束」とするの、本当に私のツボに刺さりまくってしまった。好きです。

 

文体は読みやすさや想像しやすさがあって文章上手だなあ……と思ったのと、雰囲気で言うと、寝物語に語り掛けるように優しくてあたたかいのに、語られる内容はひどく残酷だったりするところ大変良いと思いました……。以前書いた感想でも似たようなことを言ったと思うけれど、本当にそこはついさんの持ち味だなあと再確認したり。

心情もつたわってきやすくて、胸がぎゅうっとなるシーンも何回かありました。読みながらずっと脳裏に「慟哭」という言葉があって、話全体のイメージにも、私の中でのヴィンセントくんのイメージにもなんとなく重なる感じがありました。沈黙のうらに慟哭を抱えている、というか。

 

好きなシーンは浜辺での例の人とのやりとりのところとか(描写も綺麗で胸に刺さったし、例の人が本当にひとでなしでよい)、いくつかあるんだけれど、特にで言うとヴィンセントくんが演舞してるところの描写がすごく好きです。たぶんこれは推しが美しいことを直に感じられるからなんですが(欲望)。

 

これは感覚でとらえていることでしかないけれど、剣というものの形だとか役目だとかを、ヴィンセントくんが持つことにすごく相応しさを感じていて、明確な理由は説明できないけれども、とにかく彼がつるぎを持つことに、単純に似合うなあかっこいいなあという気持ちと、象徴するようというか、何とも言えないロマンだとか、逃れようのない重い運命みたいなものを感じてしまう私がいます……。好き……。

そんなところでファンアートで〆ます。改めて、推せる……という気持ちでいっぱいになりました。ヴィンセント・ノルマーはいいぞ。

 

 

HEMOさんの「ヒカリ」を読みました。

作品はこちらから。

hecamol.booth.pm

 

表紙!!まず表紙のイラストがめっちゃいいですよね……穏やかな絆と優しい空気を感じる……。

冒頭の下世話なこと言っちゃうシルバーさんがくすっときてとても可愛い。
それに対して「心底軽蔑するよ」って言い放つフォルテくんがフォルテくん~~~!!って感じで好きです……。
い、言われたい。その表情で言われたい、是非……。(これは気持ちの悪い読者)

フォルテくんはエミリオさんに救いをみてこの上なく清らかな感情を向けていて、エミリオさんが淡々としているぶん、一見フォルテくん⇒エミリオさんの一方向の信仰にみえるようで、フォルテくんはエミリオさんの足りない(もしくは失った)部分を補って守ってあげてる感じがして、お互いに離れがたい関係なんだろうなあ……とニコニコしていました。そのあたりの関係性を今回のお話で実感できました……。

傷ついたモノ同士のあいだで築かれる、お互いにとってずっとずっと優しい、
あたたかな光に満ちた居場所なんだと思うと、本当に尊い関係だなと思います……。

今回もファンアートで〆ます。単体だとフォルテくん推しな私ですが、
やっぱりお二人一緒にいる図が一番ときめきます……!!!

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照月 悠夜さんの「あたしが主で従者はニンジャ!」を読みました。

作品はこちらから。

smln.booth.pm

 

キャラクターがそれぞれ可愛かったり学生らしさがあったりして彼らのお喋りを眺めてるのがとっても楽しかったです。お話も進行が読み手に優しいというか丁寧というか、お話の流れがすっと頭に入ってくるのがすごい……!と思いました。
あと絵柄のほわっとした雰囲気や漫画らしさと、表情豊かなところがとても好きです。みてて楽しい……。

とにかく結花さんの勢いだとか心意気のよさにめちゃくちゃ惹かれました。可愛い。ゴーイングマイウェイだけど、心から大事な人を想って行動できるとこ、すごく好きです……。お話がすすむにつれて見れる表情が変わっていくのも良かったです。可愛い……(可愛いばっかり言っちゃう)

「かんたんよ あたしが呼んだら飛んできて」ってセリフすっっっっごく好きです……!!可愛いのもそうだし結花さんらしさに溢れているし作品を象徴するようでもあって……!!

颯太郎さんも古風なキャラクターが愛らしくありつつ、かっこいいところはしっかりかっこいいの好きです。ストイックさとか一貫した誠実さも良い……。

お二人の掛け合いが終始楽しいしかわいいしで、主従さんセット推しにならざるを得ませんでした!!!この二人どうなるんだ……!?とか最後そこで終わるのかーーー!!とかめっちゃ心かき乱された部分もあります……。すき。

とっちらかった感想になってしまいましたが、ファンアートで〆ておきます!!(一度描いてみたかったのです!!)

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唯代 終さんの「星降る夜の大間違い」を読みました。

作品はこちらから。

aoi-217.memo.wiki

 

柔らかで音の優しい言葉で綴られる、胸の奥までざっくりと深く傷を残すような痛切な感情というギャップがすてき。
私はここがついさんの小説の持ち味と感じている……。
登場人物の視覚的な描写から内面というか人となりというかがやわっと伝わってくるのもすごい。
情景描写も繊細な表現がされてて綺麗だなあと思うと同時に、やっぱりどこか、ガラスをひっかいた痕のような傷を感じる。

実をいうとニーナさんの喋り方というか言葉選びというか(作中の言葉を借りるなら「軽薄さ」なのかな)がとても好きで、
状況に見合わない言葉をころころ笑いながら並べる彼女のようすというのに端的に言うとすごく萌えました(すごく萌えました)
「きみが助けてくれるのでしょう」ってセリフ、印象的で好き……。彼女をよくあらわしてる感じもするし、言葉と裏腹に不安を煽るような陰があって好き……。
月から血を流した女の子が落ちてくるというのも、色々な背景や展開を想像させるものがあってとても良いなあ……。

私はついさんの書く人間の感情のなかでは、「不信」が特に好きなのかもしれない。感触にすごくリアリティがあって。
葵さんの心情描写でそれが覗くたびに、胸に刺さるものを感じながらも、いいなぁ……と思ったりしていた。

最後のシーンの、葵さんの「誇らしかった」ってところすごくすき……
間違いだったことを胸をはってみとめるというのが、可愛いというかなんというか……愛しくなっちゃったな……
おそらくさまざまな意味で傷だらけのふたりがこうして寄り添っているのは、なんだか必然のようにも感じてしまった。幻覚だろうか。

ところでついさんの文章を映像で想像すると自然ときほさんの絵で浮かびますね!!!相性のいい文体と絵柄なんだなあ……!!と勝手に感動してしまった私です。